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リドレープ法は、目頭の皮膚を剥がして外側に張り直す術式です。傷跡が下眼瞼縁のラインに沿うため正面から目立ちにくい傾向があります。変化を自然に出したい方や、傷跡の目立ちにくさを優先したい方に向いています。Z形成との最大の違いは切開デザインの方向性と縫合線の位置にあります。この記事では、原理・術式比較・向いている人・ダウンタイムの概要をまとめています。
蒙古ひだとは、目頭の角(内眼角:ないがんかく)を覆うように垂れ下がる皮膚のひだのことです。医学的には「内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ)」とも呼ばれます。
日本人をはじめとした東アジア系の方では、この蒙古ひだが存在する割合が80%を超えるとされています(形成外科学テキストの記述に基づく)。欧米系の方と比べて目頭の形状が異なる主要な解剖学的要因のひとつです。
蒙古ひだには個人差があり、大きく3段階に分類されます。 
このひだの「強さ(程度)」は、後述する術式の選び方や手術後に得られる変化量に直接影響します。リドレープ法が適しているかどうかを判断する上でも重要な指標となります。
また、蒙古ひだの存在は二重のデザインにも影響します。目頭側でひだが二重のラインを引き下げるため、いわゆる「平行二重(ひたいに沿って幅が均一な二重)」を作りにくくなる場合があります。二重の手術と合わせて目頭切開を検討される方が多いのは、この解剖学的な関係が背景にあります。
リドレープ法は、蒙古ひだの内側の皮膚を剥がして外側に張り直す術式です。英語では “Skin Redraping Method” と表記され、”redrape”(再配置する・張り直す)という動詞がそのまま術式名になっています。
この術式を国際的に初めて体系化した論文は、2007年に国際的な形成外科専門誌(査読誌)に掲載されたものです。
Oh YW, Seul CH, Yoo WM. “Medial epicanthoplasty using the skin redraping method.” Plast Reconstr Surg. 2007 Feb;119(2):703-10.(文献1)
さらに2025年には、同術式の技術的な精緻化(より予測可能な結果を得るための改良)を報告した論文も国際医学文献データベースに掲載されており(文献2)、現在進行形で研究が続いていることが確認されています。
リドレープ法の手技は、大きく4つのステップで構成されます。
このステップの最大の特徴は、縫合線の向きにあります。皮膚を外側に再配置するため、縫合線が下まぶたの縁ラインに自然に収まります。正面から見たときに切開線が表に出にくい構造になっています。
Z形成法(後述)では三角弁(さんかくべん:皮膚を三角形に切り分けたもの)を交差させて縫合するため、切開線が目頭の表面に出やすい傾向があります。リドレープ法はこの点で異なる仕組みを持っています。
「リドレープ法」という名称は複数の呼び方で使われています。検索中に名称の混乱を感じた方も多いかもしれません。主なものを整理すると以下のとおりです。
これらはすべて実質的に同一の術式を指す場合がほとんどです。ただしクリニックによって細部の手技が異なる場合があるため、受診先で術式の内容を確認することをお勧めします。
目頭切開には複数の術式があります。どれが自分に向いているかを判断するには、各術式の「原理の違い」を理解することが大切です。
以下に主要5術式の比較表を示します。
| 項目 | 三日月法 | Z形成(Z-plasty) | W形成 | リドレープ法 |
|---|---|---|---|---|
| 切開デザイン | 蒙古ひだの稜線に沿った三日月形に皮膚を切除 | Z字型に皮膚を切開し、三角弁を交差させて縫合 | W字型の切開で複数の小三角弁を配置 | 小切開後に皮下を剥離し、皮膚を下方に再配置 |
| 皮膚切除の有無 | あり(蒙古ひだの稜線部分を切除) | あり(三角弁部分) | あり(複数の小三角弁部分) | 余剰分のみあり |
| 変化の大きさ | 控えめ〜中程度 | 中〜大(ひだの程度による) | 中程度 | 控えめ〜中程度(個人差あり) |
| 傷跡の目立ちやすさ | 稜線上に縫合線が出やすい | 目頭の表面に切開線が出やすい傾向あり | 複数の小切開線が表面に出る | 縫合線が下眼瞼縁ラインに沿うため表から見えにくい傾向あり(個人差あり) |
| 後戻りリスク | 皮膚切除後の拘縮により後戻りが起きやすい | 起こりづらい(拘縮による後戻りが起きる場合あり) | 中程度 | 中程度 |
| 平行二重への対応 | 下部蒙古ひだの解除のみで平行二重が難しいケースあり | 変化が大きく平行二重を作りやすいケースが多い | 中程度の変化で平行二重を作れる場合あり | 下部蒙古ひだの解除が主のため、上部ひだが強い場合は平行二重が得られにくい(個人差あり) |
| 主な適応(ひだの程度) | 軽度〜中等度 | 軽度〜強度 | 軽度〜中等度 | 軽度〜中等度 |
Z形成法では、皮膚をZ字型に切開して三角弁を左右に交差させます。この方法は変化量を大きく出しやすい反面、切開線が目頭の表面に残りやすい傾向があります。
リドレープ法はこれと異なり、皮膚を外側に送り込む構造です。縫合線が下眼瞼縁(下まぶたの縁ライン)に沿った向きに収まるため、正面から目を開けた状態で見たときに切開線が表に出にくい位置関係になります。傷が目立ちにくい傾向があるのは、この解剖学的な配置が理由です。
ただし「傷が残らない」「完全に見えない」わけではありません。傷の回復には個人差があり、体質・皮膚の状態・術後ケアによって異なります。
「リドレープ法は後戻りしにくい」とする報告はあります(文献1)。皮膚を切除せず下方に再配置することで張力が分散され、拘縮による引き戻しが起きにくい構造が理由とされています。
一方で、術後の拘縮(こうしゅく:傷が治る過程で組織が収縮すること)によって目頭の丸みが増したように感じる時期が、術後1〜6ヶ月にかけて続くことがあります。これは一時的な変化の場合もありますが、個人差があります。「完全に後戻りしない術式」であるとは言えませんので、長期的な経過について担当医に確認することをお勧めします。
リドレープ法には傷跡の位置や変化量のコントロールしやすさという利点がある一方、蒙古ひだの程度によっては希望通りの仕上がりが得られないケースもあります。メリットとデメリットを正直にお伝えします。
1. 縫合線が下眼瞼縁ラインに収まりやすい
縫合線が下まぶたの縁ライン(下眼瞼縁ライン)に沿った向きに収まるため、正面から見たときに傷が表に出にくい傾向があります。これはZ形成法との構造的な違いによるものです(原理はH2「原理と仕組み」で詳述)。傷の目立ちにくさは個人差があり、体質・皮膚の状態・術後ケアによって異なります。
2. 目よりも下の蒙古襞を解除しやすい
特に目よりも下の蒙古襞の伸びに関して、皮膚を切開し剥離するので、しっかり解除できる傾向にあります。しっかり解除した上で皮膚を外側に移動させてしまうので、再癒着が起きたとしてもそれによる蒙古襞の後戻りは軽度です。
3. 後戻りが起きにくいとする報告がある
皮膚を切除せず下方に再配置することで張力が分散され、拘縮による引き戻しが起きにくい構造とされています。文献1(Oh YW et al., Plast Reconstr Surg. 2007)にもこの機序が報告されています。ただし個人差があり、後戻りが全く起きないわけではありません。
4. 変化量のコントロールがしやすい
変化を控えめに出したい方にとって、変化量の調整がしやすい術式です。「大きく変えたい」よりも「目頭を自然に開きたい」というイメージに近いゴールの方に向いています。
5. 他術式からの修正に適用できる場合がある
Z形成・W形成を受けた後に傷跡が目立つ、または後戻りに悩んでいる方に対して、リドレープ法による修正手術が選択肢になる場合があります。これは上位の競合記事ではほとんど触れられていない点です。ただし初回手術後の組織状態によっては適用に制約が生じることがあります。
1. 平行二重が得られにくい場合がある(解剖学的な理由)
リドレープ法は主に「下部蒙古ひだ」を解除する術式です。蒙古ひだには目頭の下側を覆う「下部ひだ」と、目頭の上側(二重ラインに重なる部分)を覆う「上部ひだ」があります。リドレープ法では下部ひだの解除が中心となるため、上部ひだが強く残っている場合は二重ラインが目頭側で引き込まれたままになり、平行二重が得られにくい状態が続くことがあります。
「なりにくい」と一言で説明する記事は多いですが、この解剖学的な理由を理解しておくことで、カウンセリングでの確認がより具体的になります。
2. 蒙古ひだが強度の場合、変化が不十分になることがある
ひだが広範囲・強度の方では、リドレープ法だけでは変化量が不十分に感じられることがあります。その場合、上部蒙古ひだへの処理を組み合わせる(多くの場合は目上切開との組み合わせ)ことを検討する場合があります。担当医との詳しい相談が必要です。
3. 目頭先端がやや丸くなりやすい場合がある
術後の拘縮によって目頭の稜線(りょうせん:目頭の形の輪郭)が引き戻される場合があり、目頭先端がやや丸みを帯びた印象になることがあります(個人差あり)。
4. ドッグイヤー(皮膚の余り)が生じる場合がある
「ドッグイヤー」とは、縫合の際に皮膚の端に小さな盛り上がりができる状態のことです。この処理が仕上がりに影響することがあります。経験のある術者によって適切に対処される必要があります。
5. 変化が控えめなため「思ったより変わらない」と感じることがある
変化量が控えめであることはメリットでもある一方、大きな変化を期待していた場合に物足りなさを感じるケースがあります。カウンセリングで希望の変化量と術式の特性を事前に確認することが大切です。
リドレープ法が向いているかどうかは、蒙古ひだの程度と希望する仕上がりによって異なります。以下を参考に、自分のケースを確認してみてください。
上記はあくまで一般的な傾向です。実際の適応はひだの程度・目の形状・希望する変化量を総合的に確認した上で判断します。
自分に向いているか気になる方は、無料カウンセリングでご確認ください。
実際にAI Beauty Clinicで目頭切開リドレープ法を受けられた方の症例写真をご紹介します。仕上がりや変化量の参考としてご確認ください。

ダウンタイムの目安は個人差があります。以下の時系列表は一般的な経過の参考として示したものです。実際の経過は体質・施術内容・術後ケアによって異なります(文献1)。
| 時期 | 目安の状態 |
|---|---|
| 術後当日〜2日 | 目頭周辺の腫れ・内出血が出る場合があります。患部を冷やすと腫れが小さくすることができます。 |
| 術後3〜7日(抜糸前後) | 抜糸は目安として術後5〜7日前後に行われることが多いですが、個人差があります。抜糸後から患部のメイクが可能です(クリニックの指示に従ってください)。 |
| 術後2週間 | 腫れ・内出血が概ね落ち着いてくる時期ですが、個人差があります。日常生活への影響は少なくなる場合がほとんどです。 |
| 術後1〜3ヶ月 | 傷跡が落ち着いてきます。皮膚の硬さや赤みが徐々に改善される時期ですが、個人差があります。 |
| 術後6〜12ヶ月 | 目頭周辺の硬さや丸みが落ち着いてくる場合があります。拘縮による一時的な引き戻し感がこの時期に生じることがあり、完成形の評価はこの時期以降が目安になります(個人差あり)。 |
術後の経過を良好に保つため、以下の行動は控えることが一般的に推奨されます。詳細は担当医の指示に必ず従ってください。
二重埋没法とリドレープ法を同時施術する場合、目元への施術範囲が広くなるため、腫れ・内出血の程度や持続期間が単独施術より長くなることがあります。同時施術を検討している方は、ダウンタイムへの影響も事前に担当医に確認することをお勧めします。
目頭切開リドレープ法の当日の流れを以下に示します。実際の手順はクリニックごとに異なる場合がありますので、詳細は受診先でご確認ください。
本施術は美容目的であるため、健康保険は適用されません(自由診療)。
手術時間は両側で30〜60分程度が目安ですが、個人差があります。
目頭切開リドレープ法は美容目的の施術であるため、健康保険は適用されません(自由診療)。費用はすべて自己負担となります。
料金はクリニックによって異なります。当院の最新料金は公式メニューページでご確認ください。
また、施術料金のほかに以下の費用が別途かかる場合があります。事前に確認しておくことをお勧めします。
Q1. リドレープ法とZ形成はどう違いますか?どちらを選べばよいですか?
切開デザインと縫合線の位置が異なります。Z形成は皮膚を三角弁交差で縫合するため変化が大きく出やすい一方、切開線が目頭の表面に出やすい傾向があります。リドレープ法は縫合線が下眼瞼縁ラインに収まりやすく傷が目立ちにくい傾向がありますが、変化は控えめになりやすいです。どちらが向いているかは蒙古ひだの程度・希望する変化量によって異なります。カウンセリングでご確認ください。
Q2. リドレープ法は後戻りしますか?
後戻りが全くない術式ではありません。ただし皮膚を下方に再配置する構造上、Z形成に比べて後戻りが起きにくいとする報告があります(文献1・個人差あり)が、実際には個人差があります。術後6〜12ヶ月にかけて拘縮による目頭の丸みが一時的に増すことがある点に注意が必要です。完成形の評価はこの時期以降が目安になります。
Q3. リドレープ法の傷跡は目立ちますか?どのくらいで目立たなくなりますか?
縫合線が下眼瞼縁ラインに沿った位置に収まるため、正面から目立ちにくい傾向があります。時間経過とともに傷跡が目立ちにくくなる場合がありますが、完全に見えなくなるとは限りません(個人差あり)。傷跡の詳しい経過については
をご覧ください。
Q4. ダウンタイムはどのくらいですか?腫れはいつ引きますか?
腫れ・内出血の目安は1〜2週間程度ですが、個人差があります。抜糸は術後5〜7日前後が目安です(個人差あり)。詳しい経過は上の「リドレープ法のダウンタイムと術後経過」セクションの時系列表をご参照ください。
Q5. リドレープ法で平行二重になれますか?
上部蒙古ひだの程度によっては、平行二重が得られにくいケースがあります。リドレープ法は主に下部蒙古ひだを解除する術式のため、上部ひだが強く残っていると二重ラインの目頭側が引き込まれたままになる場合があります。「なれません」と断定することもできませんが、個人差があります。カウンセリングで適応を確認されることをお勧めします。
Q6. 蒙古ひだが強い場合でもリドレープ法は向いていますか?
ひだが強度の方では、リドレープ法だけでは変化量が不十分になる可能性があります。場合によっては、上部蒙古ひだへの処理を含む他術式との組み合わせを担当医が提案することがあります。強度のひだがある方は、カウンセリングで詳しく適応を確認することをお勧めします。
Q7. リドレープ法を受けた後、修正はできますか?
修正手術は可能です。ただし初回手術後の組織状態(瘢痕や癒着の程度)によって、適用できる術式に制約が生じることがあります。傷の治癒の進行を考えると少なくとも初回の手術から6か月以上経過してからの手術がおすすめです。他術式(Z形成・W形成)後の傷跡修正にリドレープ法が選択肢になるケースもあります。修正を検討する場合は専門医への相談をお勧めします。
Q8. 「韓流目頭切開」と「リドレープ法」は同じですか?
実質的に同一の術式を指す場合がほとんどです。「韓流目頭切開」は韓国でもこの術式が広く行われていることから広まった通称です。「スキンリドレープ法」「皮膚再配置法」「リドレープ目頭切開」なども同一術式を指すことが多いです。ただしクリニックによって細部の手技が異なる場合があるため、受診先で内容を確認することをお勧めします。
Q9. 二重手術と同時にできますか?
二重埋没法や二重切開法と同時施術が行われることはあります。目元全体のバランスを一度に整えられる利点がある一方、施術範囲が広くなるため腫れやダウンタイムへの影響も考慮が必要です。同時施術のダウンタイムの詳細は
をご覧ください。
Q10. リドレープ法の費用相場はいくらですか?
美容目的の施術であるため健康保険は適用されません(自由診療)。費用はクリニックによって異なります。当院の料金は公式メニューページでご確認ください。
リドレープ法は、蒙古ひだの内側の皮膚を剥がして外側に張り直すことで目頭を開く術式です。縫合線が下眼瞼縁ラインに沿うため傷が目立ちにくい傾向があり、変化量を控えめにコントロールしやすい点が特徴です。
一方で、蒙古ひだが強度の方や平行二重を強く希望する方には向かないケースもあります。術後6〜12ヶ月の経過を通じて完成に近づくことも踏まえ、担当医との十分なカウンセリングが大切です。
本記事は AI Beauty Clinic 院長・尾崎宥文(美容外科医)の監修のもとに作成しています。掲載内容は情報提供を目的としており、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状に不安がある場合は担当医にご相談ください。