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共同監修:尾崎 宥文(AI Beauty Clinic 院長 / 美容外科医)・田中 里佳(AI Beauty Clinic 医師 / 美容外科医)
尾崎 宥文:京都大学医学部医学科卒業。日本赤十字社医療センター、東京大学医学部附属病院 麻酔科・痛みセンターを経て、AI Beauty Clinic 院長に就任。美容外科・美容皮膚科を専門とする。
田中 里佳:滋賀医科大学医学部卒業。練馬総合病院、慶應義塾大学病院 形成外科を経て美容医療に従事。AI Beauty Clinic 医師。美容外科・美容皮膚科を専門とする。
副皮除去後の傷跡は、個人差はあるものの多くの方で3〜6ヶ月かけて目立ちにくくなります。赤みや硬さがまだ残っていて不安な方もいらっしゃるでしょう。本記事では副皮という部位特有の治り方に絞って詳しく解説します。術後直後の腫れや痛みについては、別記事のダウンタイムガイドをご参照ください。
副皮除去は皮膚を切開して縫合する外科手術のため、縫合痕(ほうごうこん:切開して縫った部分のあと)は必ず生じます。まずお伝えしたいのは、「傷跡が残る」ことと「傷跡が目立つ」ことは、実は別の話だという点です。
施術の詳しい内容については、副皮除去とは?施術内容を解説をあわせてご確認ください。
「副皮除去は傷跡が残らない」という説明を見かけることがありますが、これは正確ではありません。どのような手術でも、縫合跡自体は必ずできます。ただし副皮(ふくひ)は、粘膜と皮膚の移行部に位置する組織です。この部位特性により、多くの方で時間の経過とともに目立ちにくくなっていきます。詳しい仕組みは後ほど解説します。
どこまで目立ちにくくなるかは、体質やアフターケアによっても個人差があります。次の章では、傷跡が目立ちにくくなっていく過程を見ていきましょう。カギになるのは、瘢痕(はんこん:傷が治る際にできる組織)成熟の3段階です。
傷跡は炎症期・増殖期・成熟期という3段階を経て変化していきます。多くの方は3〜6ヶ月ほどで目立ちにくくなりますが、完全な成熟には1年前後かかることもあります。
創傷治癒(そうしょうちゆ:傷が治っていく過程)にはそれぞれ個人差があります。ただし大まかな目安を知っておくと、今の傷跡の状態が正常な経過かどうか判断しやすくなります。
術後直後は、赤みや腫れが生じます。これは体が傷を治そうとしている自然な反応です。この時期の腫れ・痛みの詳しい経過や生活再開の目安は、後述するダウンタイム記事で詳しく扱っています。
炎症期のあと、傷を修復するためのコラーゲン(皮膚のハリや弾力を支えるたんぱく質の一種)が作られ始めます。この時期は傷跡がやや硬くなり、赤みが続くことも珍しくありません。「術後3ヶ月経ってもまだ赤い・硬い」というお悩みの多くは、この増殖期から成熟期への移行段階にあたると考えられます。焦らず経過を見守っていただいて問題ないケースがほとんどです。
増殖期で作られたコラーゲンが徐々に組み直され、傷跡は平坦になり、柔らかく、色も薄くなっていきます。多くの方は3〜6ヶ月ごろにかけて傷跡が目立ちにくくなっていきますが、成熟自体は1年前後続くこともあり、進み方には個人差があります。
急性期の腫れ・痛み・生活再開の詳しい目安については、副皮除去のダウンタイム完全ガイドをご覧ください。次の章では、副皮という部位が持つ特有の治り方について詳しく解説します。
副皮の傷跡が多くの方で目立ちにくくなっていく背景には、粘膜と皮膚の移行部という部位特性があります。ただし「粘膜だから必ずきれいに治る」と単純化することはできません。
副皮(ふくひ)は、体の内側を覆う粘膜(ねんまく)と、体の外側を覆う皮膚の移行部に位置する組織です。粘膜成分が多い部分は炎症が早く落ち着きやすく、湿った環境が保たれやすい傾向があります。こうした特性から、皮膚と比べて瘢痕(はんこん)が残りにくい傾向があるという研究知見があります。
ただし、これをそのまま「副皮は粘膜だからきれいに治る」と言い切ることはできません。副皮は皮膚に近い性質を持つ部分も含む移行部であり、場所によっては皮膚と同じような経過をたどることもあります。加えて、粘膜の治りやすさに関する研究の多くは口腔粘膜(こうくうねんまく:口の中を覆う粘膜)を対象にしたものです。副皮や小陰唇に限定した質の高い研究は、まだ十分に蓄積されていません。この点は正直にお伝えしておきたいポイントです。
副皮は下着や下腹部との接触が多く、日常的に動きの影響を受けやすい部位でもあります。傷跡が完成に向かう過程で摩擦や刺激が繰り返されると、治りが妨げられる可能性があります。そのため、次の章で解説する摩擦を避けるケアが特に重要になります。
当院を含め、副皮除去では吸収糸(体内で自然に溶ける糸)を使用することが一般的です。抜糸のための来院が不要になるほか、糸を長く留置する非吸収糸で問題になりやすい縫合糸痕(ステッチマーク)のリスクも、相対的に低いと考えられています。
なお、外陰部は日常生活で直射日光が当たりにくい部位でもあります。紫外線対策の考え方については、次の章のケア方法で詳しく触れます。
小陰唇縮小における粘膜の治癒の仕組みについてさらに詳しく知りたい方は、小陰唇縮小の傷跡経過と粘膜治癒をご覧ください。
副皮除去後のケアで最も重視したいのは、摩擦を避けることです。
前章で触れたとおり、副皮は下着や下腹部との接触が多い部位です。締め付けの強い下着や摩擦の多い素材は避け、通気性のよいものを選ぶことで、傷跡が完成に向かう過程への刺激を減らせます。摩擦回避を最優先事項として意識してください。
患部を清潔に保つことや保湿を行うことは、一般的な瘢痕ケアの考え方として広く知られています。ただし、いつから保湿を始めてよいかは傷の状態によって異なります。必ず担当医の指示に従ってください。
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん:傷の範囲内で盛り上がった瘢痕)のケアとして、シリコンジェルシートやジェルが使われることがあります。ただし、複数のレビューではこれらの製品のエビデンス(効果を裏付ける根拠)の確実性はlow〜very lowと評価されており、「必ず効果がある」とは言い切れません。使用を希望する場合は自己判断で開始せず、担当医の指示のもとで行ってください。
新しくできた瘢痕は、一般的に紫外線を浴びると色素沈着を起こしやすいとされています。ただし外陰部は、日常生活で直射日光が当たることのほとんどない非露光部位です。そのため、顔や腕のケアと同列に紫外線対策の優先度を高く考える必要はありません。
陰部は皮膚から成分が吸収されやすい部位(経皮吸収率が高い部位)です。自己判断でステロイド外用薬を使用することは避け、使用の要否は必ず担当医の判断に委ねてください。
副皮除去後にケロイドや肥厚性瘢痕が生じることは稀ですが、体質によってはゼロではありません。術前カウンセリングでの申告が重要です。
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん:傷が赤く盛り上がった状態)とケロイドは、どちらも傷跡が盛り上がりますが、性質が異なります。両者の違いを以下にまとめます。
| 項目 | 肥厚性瘢痕 | ケロイド |
|---|---|---|
| 範囲の広がり | 傷の範囲内にとどまる | 傷の範囲を超えて広がる |
| ピーク時期 | 術後半年前後 | 数ヶ月〜数年かけて拡大することもある |
| 自然退縮の有無 | 自然に軽快する傾向がある | 自然には軽快しにくい |
| 好発部位 | 全身に生じうる | 前胸部・肩・耳介・恥骨部などが好発部位の一つ |
「外陰部は粘膜だからケロイドにはならない」と考える方もいらっしゃいますが、これは正確ではありません。副皮は皮膚に近い性質を持つ部分を含む移行部であり、恥骨部(ちこつぶ)はケロイドが起こりやすい部位の一つとしても挙げられています。稀ではありますが、可能性がゼロというわけではありません。
ケロイド・肥厚性瘢痕が生じるかどうかは、体質(既往)に強く左右されることが分かっています。そのため、術前カウンセリングで、ケロイド体質の心当たりを必ず担当医にお伝えください。過去のピアス跡や怪我の傷跡が盛り上がったまま残っている場合は、ケロイド体質の目安の一つになります。心当たりがある方は、遠慮なくご相談ください。
ケロイド体質の方が受けられる術前の準備や工夫について詳しく知りたい方は、ケロイド・肥厚性瘢痕体質の方の小陰唇縮小をあわせてご覧ください。
ケロイド体質の心当たりがある方は、術前カウンセリングで医師に事前にお申し出ください。無料カウンセリングのご予約はこちら。
傷の範囲を超えて広がる、6ヶ月以降も増悪するなどのサインがあれば、自己判断を続けず受診をご検討ください。
なお、術後まもない時期の発熱・膿・縫合線の開きなどの急性期の異常サインについては、副皮除去のダウンタイム完全ガイドで解説しています。本章では、傷跡が落ち着いてきた時期以降のサインに絞って説明します。
以下のようなサインが見られる場合は、担当クリニックへの相談をおすすめします。
これらのサインがある場合、対応の選択肢として外用薬・シリコン製品・ステロイド外用・注射などが挙げられますが、いずれも医師が診断のうえで判断するものです。自己判断でのケアには限界があります。気になる変化があれば、早めに相談することをおすすめします。
傷跡が気になる場合は、お気軽にカウンセリングでご相談ください。女性医師のご指名も承ります。
可能です(親権者の同意書が必要です)。年齢の下限など詳しい条件は、カウンセリングで担当医にご確認ください。
月経中でも手術は可能です。タンポン等の使用で対応いただけます。体調に不安がある場合は、カウンセリングで担当医にご相談ください。
妊娠中の手術は行っておりません。授乳中は手術可能ですが、麻酔や処方薬が母乳に与える影響について、カウンセリングで担当医にご確認ください。
田中里佳医師(美容外科医・形成外科出身)のご指名も承ります。オンラインカウンセリングは行っておらず、対面カウンセリングまたはLINEでのご相談となります。
瘢痕成熟の3段階を経て、多くの方は3〜6ヶ月ほどで傷跡が目立ちにくくなります。ただし個人差があり、1年近くかかる方もいらっしゃいます。
増殖期から成熟期へ移行する時期の正常な反応であることが多いです。ただし痛みやかゆみが強い場合、範囲が広がっている場合は、担当医にご相談ください。
術前カウンセリングで体質を必ずお伝えいただくことが重要です。担当医が体質を確認したうえで適応を判断します。絶対に受けられないわけではありませんが、リスクの説明を十分に受けたうえでご検討ください。
一般的な瘢痕ケア製品として使われることがありますが、エビデンスの確実性は高くありません。デリケートな部位への使用は担当医に確認し、自己判断での開始は避けてください。
外陰部は通常直射日光が当たらない部位のため、顔や腕ほど優先度は高くありません。例外的な場面にのみ留意すれば十分です。
傷の範囲を超えて広がる、6ヶ月以降も増悪する場合は、ケロイドや肥厚性瘢痕の可能性があります。自己判断でケアを続けるより、早めに担当医にご相談ください。
どちらも粘膜〜皮膚の特性を持つ部位ですが、副皮は皮膚移行部を含むため、一概にどちらが目立ちにくいとは言えません。小陰唇縮小の傷跡経過について詳しく知りたい方は、小陰唇縮小の傷跡経過と粘膜治癒をご覧ください。
当院(AI Beauty Clinic)では、副皮除去を実施しています。
女性医師(田中里佳医師・形成外科出身)のご指名も承ります。対面カウンセリングのみ対応しております(オンラインカウンセリングは不可)。詳しい料金は料金ページをご確認ください。
症例写真は本記事内には掲載しておりません。症例をご確認になりたい方は、当院症例ページをご参照ください。
本記事は AI Beauty Clinic 院長・尾崎宥文(美容外科医)と田中里佳医師(美容外科医)の共同監修のもとに作成しています。掲載内容は情報提供を目的としており、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状に不安がある場合は担当医にご相談ください。
共同監修
尾崎 宥文(おざき ひろふみ)
役職:AI Beauty Clinic 院長 / 専門:美容外科・美容皮膚科
経歴:京都大学医学部医学科卒業 → 日本赤十字社医療センター → 東京大学医学部附属病院 麻酔科・痛みセンター → AI Beauty Clinic 院長
田中 里佳(たなか さとか)
役職:AI Beauty Clinic 医師 / 専門:美容外科・美容皮膚科(形成外科出身)
経歴:滋賀医科大学医学部卒業 → 練馬総合病院 → 慶應義塾大学病院 形成外科 → AI Beauty Clinic 医師